諭鶴羽ダムは、淡路島で最高峰の諭鶴羽山の山麓にあるダム湖です。周辺が公園として整備されています。外周2キロの遊歩道があり湖畔を歩いて1周できます。沿道に約800本の桜が植えられています。
4月にはお花見の名所として人気です。6月にはホタルの鑑賞スポットとしても有名です。広場にはベンチや東屋があり、散策コースやランニングコース、サイクリングコースとして利用されています。
入場無料で駐車場も無料です。遊歩道は車が1台分程度の車幅であり、右回りの一方通行です。
なお、淡路島の桜は「淡路島 桜の名所おすすめ5選 人気お花見スポット」の記事をご参照ください。
諭鶴羽ダムの基本情報
- 住所:〒656-0403 兵庫県南あわじ市神代浦壁1040-3
- 電話:0799-52-2336(南あわじ観光案内所)
- 見学:自由
- 入場料:無料
- 定休日:無休
- 駐車場:無料(普通車約30台)入口付近10台、折り返し付近20台
- アクセス:神戸淡路鳴門道西淡三原ICから車で約15分
諭鶴羽ダムの内容
諭鶴羽ダムは、兵庫県南あわじ市南部の淡路島で最高峰の諭鶴羽山の山麓にあるダムです。二級河川である三原川の幹川となる諭鶴羽川に建設されました。1971年に着工して、1975年に完成しました。
堰堤の長さは173メートル、堰堤の高さは44メートル、総貯水量は130万立方メートルです。2000年から2005年まで、ゲート調整方式から自然調整方式とするゲートレス化工事を実施しました。
南あわじ市が公園として整備しています。外周2キロの遊歩道、約800本のソメイヨシノ(染井吉野)、約30台の駐車場、広場に東屋とベンチとトイレなどを設置しています。
この他、淡路島最高峰の諭鶴羽山への裏参道登山口があります。ハイキングコースとして諭鶴羽古道コースがあり、登山シーズンにあると人気のコースとなります。
1周約2キロの沿道には、入口からの節目の距離を示す標識が立っています。運動する目安として便利です。また、自動車や落石、ヘビなどに注意を促す看板もあります。
入口から植えられた桜並木に加えて、句碑が等間隔に立っています。淡路島南あわじ市出身の俳人で松尾芭蕉の高弟である服部嵐雪さんの句をはじめ、数十個の句が記念碑として並んでいます。
なお、諭鶴羽ダムは、あわじ花へんろ第35番「花の札所」となっています。あわじ花へんろとは、一般財団法人「淡路島くにうみ協会」が指定する淡路島の花の名所です。
淡路島で花と緑あふれる公園島淡路を目指した「花の名所づくり」です。花の島「淡路島」の魅力を体験してもらえるよう、代表的な名所・景勝地・観光施設を紹介しています。
春には桜、秋には紅葉、冬には水仙と、四季折々の風景が楽しめます。ホタルの名所です。
また、諭鶴羽ダムの下流には、テニスコート、体育館、宿泊施設として利用できる南あわじ市サイクリングターミナルとゆずるは荘があります。
桜の名所でお花見スポット
諭鶴羽ダムは、淡路島で桜の名所としてお花見で人気の観光スポットです。諭鶴羽湖の湖畔を外周2キロに遊歩道があります。沿道に約800本のソメイヨシノ(染井吉野)が植えられています。
桜の開花時期は、毎年3月下旬から4月上旬までとなります。ただ、諭鶴羽ダムは山間にあります。他の桜の開花状況と比較すると、数日程度遅れる可能性が高いです。桜が満開となるピークもずれます。
約2キロの遊歩道は桜並木となっています。外周をゆっくり散策するとジグザグした湖畔の沿道が、満開となった桜のピンク色で覆われています。まるで桜のトンネルを通っている気分になります。
ゆっくり散策する場合は、大人でおよそ1キロ15分くらいです。約2キロの外周で所要時間が約30分程度の運動となります。ウォーキングやランニング、サイクリングなどもおすすめです。
また、数カ所に憩いの広場が設けられています。東屋やベンチ、トイレなどが設置されています。広場公園として、レジャーシートなどを広げて、ゆっくりとお花見を楽しむことができます。
満開になると沿道はソメイヨシノ(染井吉野)で覆われます。山肌にもヤマザクラ(山桜)があちこちで咲きます。山々は新緑で生き生きとしています。淡路島の自然を満喫できるロケーションです。
諭鶴羽ダムの桜のお花見では、スカイブルーの空、エメラルドグリーンの湖、パールピンクの桜、ライトグリーンの新芽、ダークグリーンの山々が絶妙のコントラストを生み出します。
山々の新緑や湖の水面に映える桜を眺めながら、春の息吹を感じることができます。
湖の水面に映える桜のピンク色が、緑色のグラデーションにコントラストを与えます。鮮やかな桜の色彩が艶やかさを引き立てて雅な世界を創造します。魅惑ある春の情景となって楽しませてくれます。
なお、淡路島で桜の名所は諭鶴羽ダムを含めて次の5つがおすすめです。
ホタルの鑑賞スポット
諭鶴羽ダムは、淡路島でホタルの鑑賞スポットとして人気の観光スポットです。諭鶴羽ダムの湖水は、淡路島の最高峰608メートルの諭鶴羽山の原生林から湧き出た清水が集められています。
上流には、ダム湖に溜め込む綺麗な水が流れています。水量や水質などの水系が安定しています。川原は、飛翔空間があり、風当たりも強くありません。照明が無く木陰もあります。水際にコケが生えています。
ホタルのための用水路が整備されています。用水路には、ホタルの幼虫のエサとしてカワニナが放流されています。諭鶴羽ダムの川原には、ホタルが生息するには最高の環境が整っています。
川原周辺には、数百匹にも上るホタルが生息するといわれています。淡路島では、ホタルの観賞スポット「ほたるの里」としてテレビや雑誌などメディアで取り上げられて大変有名です。
ホタルの鑑賞スポットは、諭鶴羽ダムの入口からダムの湖畔の遊歩道を進んだ、上流の折り返し部分の橋の周辺となります。通称「ほたるの橋」と呼ばれています。ホタルの看板も設置されています。
ホタルの鑑賞時期は、6月上旬から6月下旬とされています。上流の折り返し部分の手前には、階段を利用して川原に下りることも可能です。ただし、足場が悪く夜の暗がりの歩行となり注意が必要です。
ダム湖の上流部分の渓谷や川原で、最盛期になると美しい光を放ちながら数百匹のホタルが舞います。一斉に黄色に発光しながら止まったり舞ったりする姿は自然が生み出す神秘といえるでしょう。
なお、上流を折り返して少し進んだところに約20台程度の駐車場があります。
諭鶴羽山への裏参道登山口
諭鶴羽ダムは、淡路島で最高峰となる標高608メートルの諭鶴羽山への裏参道登山口があります。ハイキングコースとして諭鶴羽古道コースがあり、シーズンに入ると人気があります。
諭鶴羽山の付近一帯は、瀬戸内海国立公園となります。近畿百名山、ふるさと兵庫50山、ひょうごの森百選に選定されています。温暖な気候や変化に富んだ地形から貴重な動植物が生息しています。
諭鶴羽山の山頂付近には、諭鶴羽神社があります。諭鶴羽神社は元熊野と称されて枕草子にも登場した由緒ある神社です。最近では、男子フィギュアの羽生結弦選手のファンの聖地となっています。
裏参道は、諭鶴羽古道コースとして山頂まで2.7キロ、諭鶴羽神社まで3.2キロの登山道です。
諭鶴羽山への裏参道登山口は、諭鶴羽ダム堰堤(エンテイ)の向かい側にあります。10段ほどの細いコンクリートの階段が入口となります。10段の階段を登るとさらに20段ほどの階段があります。
階段を登ると杉林に囲まれた急な登り坂がしばらく続きます。古い大きな石の道標を境として、道が平坦となります。なだらかな道をしばらく進むと神倉神社があります。
神倉神社は、神代の時代に、諭鶴羽山の由来となった場所です。イザナギとイザナミの二神が乗った鶴が大樹で羽を休められたという由緒があります。この先、なだらかな道を進むと山頂に到着します。
なお、諭鶴羽ダムから諭鶴羽山の山頂付近の諭鶴羽神社まで、裏参道は28丁あります。1丁ごとに丁石地蔵が置いてあります。28丁の地蔵に始まり目印や目安として道標となっています。
なお、諭鶴羽山(諭鶴羽神社)への裏参道登山口の目印として、曽我十郎の担い石があります。
曽我十郎の担い石
諭鶴羽山への裏参道登山口の階段の向かい側に、巨大な石が2つあります。曽我十郎の担い石と呼ばれています。平安時代の富士の裾野で「曽我兄弟の仇討ち」として語り継がれる伝説の1コマとなります。
平安時代の末期に、当時22歳の曽我十郎が父の仇を討とうと親戚の浦壁城主の身を寄せて武芸に励んでいました。満願成就を祈って、元熊野と呼ばれた淡路島の諭鶴羽神社に日参していました。
満願の当日に、神様に願いが届き、境内の二つの大石を担って山が下りられれば成就するとのお告げがありました。諭鶴羽の山頂から麓の諭鶴羽ダム周辺まで大石を担いで山を下りました。
その後、弟の曽我五郎と協力して、見事に仇の工藤祐経を富士山の裾野で討ち取りました。曽我十郎の担い石と呼ばれる大きな2つの力石は、「曽我兄弟の仇討ち」の伝説を現在に伝えています。
ダム建設の経緯
古来より、三原川の流域は渇水被害を受けてきました。現在も、名残としてため池が数多くあります。三原平野が伸びているために河口の感潮区間が長く洪水被害を受けてきました。
三原川は、淡路島で最高峰の諭鶴羽山の麓が水源です。神代浦壁の諭鶴羽川を起点に、神代社家で上田川を合流して三原川となります。三原平野で成相川と合流します。
河口付近で倭文川、大日川と合流して播磨灘に注ぎます。全長15.3メートルとなります。山間を抜けると広大な平野を河口までなだらかに流れているので、水量調整や灌漑調整ができませんでした。
1965年9月の台風23号24号の洪水被害を契機として、抜本的な治水対策として三原川で最初に諭鶴羽ダムが建設されました。ダムの利用目的は、洪水調節(自然調節)をはじめ、灌漑用水や水道用水なども含まれます。
1979年9月の台風16号の洪水被害を契機として、大日ダム、牛内ダム、成相ダム、北富士ダムが建設されました。三原川水系には5カ所のダムが設置されています。
諭鶴羽ダムは、諭鶴羽山から湧き出た清水を溜めています。湖水が下流の三原平野の人々の暮らしを豊かに潤して、末永く地元に親しまれるように諭鶴羽湖と名付けられました。
現在、三原川流域の三原平野は、淡路島が全国に誇る名産の淡路島玉ねぎの一大生産地となっています。
諭鶴羽ダムのアクセス
諭鶴羽ダムのアクセスは、公共交通がなく自動車のみとなります。車で高速道路の神戸淡路鳴門道の西淡三原インターチェンジから約15分で到着します。
西淡三原インターチェンジの出口を左折します。県道31号線を進みます。マクドナルド南あわじ店がある八幡交差点を左折します。国道28号線を進みます。
マルナカ三原店がある円行寺交差点を右折します。県道535号線を進みます。道なりに進むと鶴羽ダム公園に到着します。
- 住所:〒656-0403 兵庫県南あわじ市神代浦壁1040-3
- 電話:0799-52-2336(南あわじ観光案内所)
諭鶴羽ダムの駐車場
諭鶴羽ダムの駐車場は、2カ所あります。ダム入口を入ってすぐのところに10台足らず、ダム上流を折りかえしたところに20台足らずあります。
ダム入口の駐車場は、外周約2キロの遊歩道を散策したり、ランニングしたり、サイクリングしたりするのに便利です。ダム上流の駐車場は、広場で桜のお花見や川原でホタル鑑賞に便利です。