絵島は、淡路島で国生み神話にまつわるパワースポットです。淡高さ20メートルの小島です。古来から和歌を詠む月見の名所です。平家物語に登場したり、西行法師にも詠まれている景勝地です。
約2千万年以上前の砂岩が風化して侵食したまだら模様の岩肌が美しく、夜間はライトアップします。日本の国の始まりの地「オノゴロ島」伝承地の一つです。場所は、淡路島北橋の岩屋港にあります。
なお、淡路島の観光については「淡路島観光スポットおすすめ40選」の記事をご参照ください。
絵島の基本情報
絵島の場所
- 住所:〒656-2401 兵庫県淡路市岩屋925-27
- 電話:0799-72-3420(岩屋観光案内所)
入場料金と定休日
- 入場料金:無料(山頂に登ることは禁止)
- 定休日:無休
絵島の大きさ
- 東西22メートル
- 南北60メートル
- 高さ20メートル
- 外周400mメートル
絵島の敷地面積
- 敷地面積:1153平方メートル
駐車場とアクセス
- 駐車場:岩屋ポートパーキング(1時間無料)
- アクセス:神戸淡路鳴門自動車道 淡路ICより車で約5分 岩屋港すぐ
絵島は国生み神話のパワースポット
絵島は、別名「オノゴロ島」と呼ばれています。日本最古の書物である「古事記」や「日本書紀」にある日本の国生み神話に登場します。
国生み神話では、太古の昔、伊弉諾尊(イザナギ)と伊弉冉尊(イザナギ)の二神が日本の国づくりのために天の浮橋に立ちます。「天の沼矛」で海原をかき回して、持ち上げた矛先からしたたり落ちた滴が凝り固って島ができます。
島の名前は「オノゴロ島」といわれています。「おのころ島」は、漢字で「自凝島」と表記され「自ずから凝り固まってできた島」を意味します。日本最初の国土とされています。おのころ島で二神は結婚して、大八島を構成する日本の島々を生み出しました。
日本の本州や四国、九州など大八島を構成する島々の中で、最初に生まれた島が淡路島です。淡路島は、国生み神話の発祥の地となっています。
「おのころ島」には諸説があります。淡路島でも「おのころ島」の伝説として伝えられる場所は多数存在します。未だ真相は解明されていません。絵島は、おのころ島の伝承地の一つで郷土記念物です。
絵島は、国生み神話で最初に生まれた島である淡路島において、日本の国の始まりの地としてパワースポットとなっています。太古の昔に神々が成し遂げた偉業として人気スポットです。
絵島は約2千万年以上の自然の造形美
絵島は、約2千万年以上前の岩屋累層の砂岩層が露出した高さ20メートル、周囲400メートルの小島です。小島というより岩に見えます。穴だらけの岩とまだら模様の岩で独特の景観を誇ります。
もともとは淡路島と陸続きでしたが、波や風の浸食により切り離されて小島になりました。外観は、浸食された名残として波食により、露出した岩山は凸凹の穴だらけとなっています。
岩山は烏帽子のような形をしています。側面には青松が茂っています。青松の枝が沖に向かって生えています。淡路島から眺めると岩山に老松が映えて絵画のような趣があります。
絵島には、小さな橋が架かっており、歩いて渡ることができます。橋を渡ると岩の奥には、なだらかな砂岩の地表がまだら模様に広がっています。コンクリートのベンチが設置されています。
色々な形をした砂岩が並んでいます。古来よりあらゆる器物を表しているといわれています。土の色は、黄色、朱色、褐色、淡黒色など主にベージュ系です。日光に当たると金色に照らされます。
波模様や唐草模様などの紋理が地層に現れています。まるで現代アートとして、ベージュ色で木星のようなモノトーンで、綺麗なマーブル模様を描いている美しい絵画を見ているようです。
マーブル模様は、地層の中の鉄分が流出と酸化を繰り返して、長い歳月を経て、自然の美しい造形美を作り上げています。波の浸食で岩肌はなだらかですが、直に触れるとザラザラな砂岩です。
絵島は、褐鉄鉱沈殿の砂岩層ということで地質学的にも学術的にも大変貴重で、1988年3月225日に兵庫県の文化財 郷土記念物に指定されています。淡路市の名勝となっています。
ベンチからは明石海峡を見渡せすことができます。世界一の吊り橋の明石海峡大橋を望むことができます。
絵島で自然から作り出された砂岩の造形美を見れば、自然の神秘を感じます。太古の歴史や国生み神話に思いを馳せることができます。2千万年の悠久の歴史にロマンを感じることができます。
絵島は月見の名所で和歌に詠まれた景勝地
絵島は、古来より月見の名所として名高く、万葉の時代から和歌に詠まれた景勝地です。月夜の美しさは、名立たる詩人や画家であっても写し難いと言われるほど素晴らしいと称されていました。
平家物語の「月見の巻」には、次のような記述が残されています。
「平家が福原に遷都した当時(1180年)、栄華の夢に耽った人々は、絵島の月を見ようとして須磨から明石海峡を渡り、絵島の月を愛でながら歌会を催していた」
西行法師は「山家集」で、次のような歌を詠みました。
「千鳥なく 絵島の浦に すむ月を 波にうつして 見るこよいかな」
その他にも、多くの和歌にも詠まれています。絵島は、古くから夜景の美しさで数多くの人々を魅了してきた風光明媚な名勝地として名を馳せてきました。
現在、夜間にはライトアップされています。絵島の夜景は、海に浮かぶ太古の光として、神秘的で幻想的で古来より受け継がれている雅な煌きを放っています。
絵島に平清盛が建てた鳥居と社
絵島にある高さ約20メートルの岩山の頂上には、鳥居と社があります。平清盛が人柱となった小姓 松王丸の菩提を弔うために建てられた石塔といわれています。現在、登ることはできません。
松王丸は、讃岐国出身の17歳で平清盛の小姓の一人でした。平清盛は、都を平安京から福原京に遷都した際、中国の宋と貿易のために、兵庫の港であった「大輪田泊」を築造するすることにしました。
大輪田泊の工事は難航を極めて、竜神の怒りを鎮める必要があるとされました。30人の人柱を海に沈めて竜神に供えることになりました。人柱のために旅人30人を捕らえました。
捕らえられた人々が悲しむ姿を見て、30人の身代わりになるから人柱を止めるよう名乗り出たのが、小姓だった松王丸でした。平清盛は拒否しましたが、必死の訴えから許可しました。
松王丸は、石棺に入れられて千人の僧侶の読経されながら、海へ沈んでいきました。人々は涙しながら、お経を書き写した石を海へ投げ入れたそうです。その後、工事は無事に完成しました。
平清盛は、松王丸が生きていた時代、平家が栄華を極めており、絵島で月見を愛でながら歌会を開いていました。絵島に、当時を偲び供養塔を建立して松王丸を祀っています。
淡路島で平清盛の生誕900年記念公演
2018年は平清盛の生誕900年記念ということで、12月16日に、淡路島の淡路市しづかホールで舞台「清盛の夢」が開催されました。
かつて平清盛が淡路島にある絵島で誓った新しい国造りの夢が舞台として淡路島で甦ります。福原の新都構想にまつわるストーリーのオリジナルショーとなります。
楽器、歌、ダンスなどによるパフォーマンスショーも披露されます。パソナグループが主催する「ONE STEP(ワンステップ)」となります。
絵島のアクセス
絵島へのアクセスですが、岩屋港に隣接しているため、岩屋港を目指すことになります。岩屋港にアクセスする交通手段として、自動車、高速バス、高速船と3つの手段があります。
自動車の場合
自動車の場合、神戸方面と四国方面ともに、神戸淡路鳴門道の淡路インターチェンジから下りて、岩屋港には約5分で到着します。駐車場は、岩屋港ポートビル駐車場になります。初回1時間無料です。
- 住所:〒656-2401 兵庫県淡路市岩屋925-27
- 電話:0799-72-3420(岩屋観光案内所)
高速バスの場合
高速バスの場合は、JR三宮駅もしくはJR舞子駅から乗車して鵜崎で降車します。鵜崎から淡路交通 路線バスに乗車して岩屋港で降車します。岩屋港で降りると岩屋ポートビルの向かい側に絵島が見えます。
淡路交通バス
- 高速舞子ー鵜崎(所要時間10分、乗車料金470円)
本四海峡バス
- 三宮BTー鵜崎(所要時間40分、乗車料金930円)
- 高速舞子ー鵜崎(所要時間10分、乗車料金470円)
淡路交通 路線バス
- 鵜崎ー岩屋港(所要時間5分、乗車料金170円)
高速船の場合
高速船の場合は、明石港から乗船して岩屋港で降ります。岩屋ポートビルの向かい側に絵島が見えます。
淡路ジェノバライン
- JR明石駅ー明石港(徒歩10分)
- 明石港ー岩屋港(所要時間13分、乗船料金500円)