淡路人形座 琵琶湖の湖水渡り伝説100年ぶり復活 明智の悲劇

500年の歴史を誇る淡路島の伝統芸能「淡路人形浄瑠璃」を上演する淡路人形座で、12月の注目演目は、28日の午後2時から上演される「賤ヶ嶽七本槍 左馬之助湖水渡りの段」です。この演目は大正時代まで上演されて以降、途絶えてしまった幻の演目とされており、約100年ぶりの復活公演となります。淡路人形座が当時の映像や音声の残っていない演目を、登場人物やせりふや情景を語る太夫が使用していた、淡路人形浄瑠璃の資料館に残されていた、当時の節が書き加えられた床本を参考にしています。曲は伝承されておらず、昨年10月から三味線の鶴澤友勇さんが節を元にして新たに浄瑠璃を作曲してきました。人形の振り付けも伝承されておらず座員が一から、曲を聴いて経験した型から振り付けを考えて作り上げています。また、見どころの琵琶湖の水渡りで活躍する名馬「大鹿毛」の人形は、座員が1カ月かけて舞台映えを考えて手作りしています。なお、1月1日(月)は10時開演の前に(9時45分)に事始めに祝儀として舞われるおめでたい「式三番叟奉納」が開催されます。

琵琶湖の湖水渡り伝説 明智家の悲劇の物語

織田信長を討ち取った明智光秀の親族たちのその後の悲劇を描いた物語です。明智光秀の死を安土城で知った明智光秀の娘婿で家臣の左馬之助(明智秀満)は、明智光秀の居城であった坂本城の救援のために出陣します。しかし、大津まで辿り着いたものの羽柴秀吉の家臣であった先鋒の堀秀政と遭遇して合戦となります。そして、左馬之助は味方が次々と討たれて窮地に立たされます。そこで、馬の名手でもあった左馬之助は大胆にも名馬「大鹿毛(おおかげ)」に乗って琵琶湖に入ります。堀秀政は「今に沈むか」と眺めていたが左馬之助は琵琶湖を渡り切ります。しかし、坂本城が落城したことを悟り、光秀の妻で実母である操が止めるが、自害するという叙情的な物語となっています。大鹿毛が湖水を渡る場面と自害前に辞世の歌を詠む場面がハイライトとなります。

淡路人形座の概要

500年の歴史を誇る淡路島の伝統芸能である淡路人形浄瑠璃を上演する劇場です。淡路人形座は、1964年に吉田傳次郎座の道具類を引き継いで興業を始めて常設館として公演をしています。国内公演で20回以上、また海外公演も行っています。この他、人形浄瑠璃の後継者の指導、全国の人形芝居保存会への協力など、人形浄瑠璃の普及や発展のための活動も行なっています。もともと「道の駅うずしお」の近くにある「うずの丘 大鳴門橋記念館」にあったが、来場者が1998年の約25万人をピークに約4万人まで減少しました。そのため、2012年8月に南あわじ市でも観光拠点である「道の駅福良」に新たに新館がオープンしました。道の駅福良では、500年の伝統芸能で国指定重要無形民俗文化財の淡路人形浄瑠璃を上演する淡路人形座と、世界一の「鳴門の渦潮」の観潮船うずしおクルーズとの相乗効果を期待しています。建物は、日本の伝統文化の人形浄瑠璃の公演場所として「和」の雰囲気を醸し出しています。内装にはスギとヒノキを使用しています。舞台や客席には淡路島の伝統産業の瓦を使っています。

淡路人形浄瑠璃の概要

淡路人形浄瑠璃とは、3人遣いの人形、義太夫、太棹三味線で演じられる人形芝居のことです。江戸時代の文化の華ともてはやされ、悲しいまでに人情の機微を謳い、哀歓の人間模様を描く様は、世界で最も人形劇を舞台芸術として発展させたと言っても過言ではありません。時代物が得意とされており、早替りや道具返し、衣装山など淡路島独特の演出や演技も派手で外連味が利いた作品が多く、また人形芝居本来の雰囲気を残した外題も多く、舞台は華やかそのものといえるでしょう。これら淡路人形を自由自在に操るには何年もの修行が必要といわれ、足七年、左手七年、頭と右手は一生といわれるほどです。古典芸能を継承するために、何世代もの人々の創意工夫が重ねられ、受け継がれた舞台芸術の粋といえるでしょう。

淡路人形座の1月公演

  • 公演場所:淡路人形座
  • 公演住所:〒656-0501 南あわじ市福良甲1528-1地先
  • 電話番号:0799-52-0260
  • 上演時間
    定時公演:10:00~、11:00~、13:30~、15:00~
    臨時公演:9:00~、16:00~
  • 駐車場:道の駅福良駐車場(無料)
  • アクセス:神戸淡路鳴門道西淡三原IC、淡路島南ICから車で約15分
  • HP:淡路人形座

淡路人形座の入場料金

  • 阿コース(「戎舞」「人形解説」「火の見櫓の段」)
    大人1,500円、中学生1,300円、小学生1,000円、幼児300円
  • 戎コース(「人形解説」「戎舞」)
    大人1,000円、中学生800円、小学生600円、幼児200円
  • 淡路の人形芝居復活公演(明智左馬之助湖水渡り伝説)
    大人1,500円、中学生1,300円、小学生1,000円

淡路人形座の1月の上演日程と演目内容

1日 阿
2日 阿
3日 阿
4日 阿
5日 午前:阿、午後:戎
6日 阿
7日 阿
8日 阿
9日 阿
10日 休館
11日 阿
12日 阿
13日 阿
14日 阿
15日 阿
16日 阿
17日 休館
18日 阿
19日 戎
20日 阿
21日 阿
22日 阿
23日 阿
24日 休館
25日 阿
26日 阿
27日 阿
28日 淡路の人形芝居復活公演
29日 阿
30日 休館
31日 休館

淡路人形座の1月の演目のあらまし

三番叟

鎌倉時代、大阪から楽人が淡路島に移り住み、その子孫が西宮から伝来した人形操りの技術を学んだことが、淡路人形の起源といわれています。江戸時代の後期まで、毎年淡路島から12人の役者が選ばれて、上洛して天皇一家の一年の幸せを祈願して「三番叟」を舞ったといわれています。

戎舞(えびすまい)

皆に福を授けます
戎さまが、釣竿を担いで淡路人形座へやってきました。庄屋さんはお神酒を出します。盃を飲み干した戎さまは、自分の生まれや福の神であることを話しながら舞い始めます。海の幸、山の幸を前に、皆の願いを叶えようと、お神酒を飲み、幸せを運んできます。酔った戎さまは、船に乗り、沖に出て、大きな鯛を釣り、メデタシ、メデタシと舞い納めるのでした。太鼓のリズムに合わせ、戎さまが楽しく舞うこの神事には、大らかな心を持ち、えびす顔でプラス思考に生きるという幸せの原点が込められています。

伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段(だてむすめこいのひがのこ ひのみやぐらのだん)

我が身を厭わない娘の一途な愛
近江国高島家の若殿左門之助が天皇へ献上する天国の剣を紛失したため、お守役の安森源次兵衛は切腹しました。江戸吉祥院の寺小姓となって剣を探す安森の子、吉三郎は、火事で焼け出されたお七と恋仲となっていましたが、お七は父が店の再建のためにお金を借りた万屋武平衛を婿に迎えなければなりませんでした。剣紛失に対する判決の期限の日、お七は剣を盗んだのが武兵衛と知ります。しかし火事の後は九つの鐘(午前0時)を合図に江戸の町々の木戸が締まり、通行が禁じられています。たとえ剣が手に入っても今夜中に届けることができなければ、吉三郎は切腹することになります。思いつめたお七は、火の見櫓の半鐘を打てば出火と思って木戸は開かれるのではと考えました。火刑を覚悟で、雪の凍りついた梯子を滑り落ちながらも、櫓に上ったお七は撞木を夢中で振るのでした。

淡路人形座・淡路の人形芝居復活公演

明智左馬之助湖水渡り伝説として知られる名場面が復活します。
久掘裕朗氏(大阪市立大学教授)の「左馬之助湖水渡りの段」伝承
復活公演「賤ヶ嶽七本槍 左馬之助湖水渡りの段」
復活公演再演「日高川嫉妬鱗 天田堤より渡し場の段」

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