淡路人形座 播州皿屋敷 井戸でお菊の幽霊が皿を数える怪談

500年の歴史を誇る淡路島の伝統芸能「淡路人形浄瑠璃」を上演する淡路人形座の5月公演のスケジュールです。5月の注目演目は、5月26日(土)に特別公演となる「播州皿屋敷 青山館の段」となります。井戸の中からお菊の幽霊が現れて「いちま~い、にま~い、・・・あぁ悲しいや・・・」と、か細い声で皿を数えるという有名な怪談の物語です。1741年に初演されて以降、淡路島の人形座でも江戸時代から定着していました。しかし、1935年に大阪で上演されたのが最後の公演記録となっていました。それを、淡路人形座が過去の台本や楽譜などの資料を参考にして人形の振り付けなども考えました。2016年12月に約80年ぶりに淡路人形浄瑠璃の演目として復活させました。今回は2年ぶりに上演となります。また、演目は怪談となることから、開場午後6時30分、開演午後7時からの夜公演となります。なお、「播州皿屋敷 青山館の段」は特別公演となっており、チケット販売は4月26日(木)から開始されます。全席指定で売切れ次第終了となります。

なお、4月28日(土)から5月6日(日)の10時からの舞台と11時からの舞台で上演されるゴールデンウィーク特別企画「日高川嫉妬鱗 天田堤より渡し場の段」については、下記をご覧ください。

井戸でお菊の幽霊が皿を数える怪談物語

細川家の家老である青山鉄山は、叛意が募りに募って当主に代わって城を乗っ取ろうと好機をうかがっていました。そんな折、細川家の当主である巴之介が家宝の唐絵の皿を盗まれて、足利将軍の不興を買い流浪の憂き目にあいました。鉄山はここぞとばかりの兄弟の忠太とともに自らの屋敷で、城主を花見の宴で毒殺しようと企てていました。その話を細川家の家臣である舟瀬三平の妻であるお菊が聞いてしまいます。細川家の忠臣だった三平が鉄山の謀反の企てを察知して、自分の妻だったお菊を鉄山の屋敷の女中にしていたのです。鉄山はお菊に誤解であると言いつくろいながら抹殺しようと策を講じます。お菊が管理する家宝である唐絵の皿十枚のうち一枚をわざと隠しておいて、お菊に披露するよう命じます。一枚、二枚と数えても皿は九枚しかありません。そして、家宝である唐絵の皿を一枚紛失した責任をお菊に押し付けて、責め立てて、切り捨てて、井戸に投げ込みました。すると俄に雨が降り出して、井戸の中からお菊の幽霊が現れます。悲しげなお菊がか細い声で「一枚、二枚、・・・あぁ悲しいや・・・」と皿を数える声が聞こえます。鉄山を悩ませ苦しめます。現場に駆けつけたお菊の夫の三平が、鉄山の悪事を見抜いて鉄山を討ち果たして皿を取り戻すという物語です。公演では、「いちま~い、にま~い・・・」と皿を数える幽霊のお菊の物悲しい幽霊の立ち姿、三味線や太夫の絶妙の響き、火の玉が彷徨う光景などで表現された場面がハイライトとなります。お菊は生きているときと幽霊になって出てくるときで、同じ人形が使われます。気を抜き過ぎるとただの人形に見えて、気を入れ過ぎると生きて見えるために、幽霊の表現が難しいそうです。日本で怪談といえば、四谷怪談のお岩さんの「うらめしや~」、皿屋敷のお菊さんの「いちま~い、にま~い・・・」、牡丹灯籠のお露さんの「カランコロン」の駒下駄の音が三大怪談または三大幽霊として有名です。

淡路人形座の概要

500年の歴史を誇る淡路島の伝統芸能である淡路人形浄瑠璃を上演する劇場です。淡路人形座は、1964年に吉田傳次郎座の道具類を引き継いで興業を始めて常設館として公演をしています。国内公演で20回以上、また海外公演も行っています。この他、人形浄瑠璃の後継者の指導、全国の人形芝居保存会への協力など、人形浄瑠璃の普及や発展のための活動も行なっています。もともと「道の駅うずしお」の近くにある「うずの丘 大鳴門橋記念館」にあったが、来場者が1998年の約25万人をピークに約4万人まで減少しました。そのため、2012年8月に南あわじ市でも観光拠点である「道の駅福良」に新たに新館がオープンしました。道の駅福良では、500年の伝統芸能で国指定重要無形民俗文化財の淡路人形浄瑠璃を上演する淡路人形座と、世界一の「鳴門の渦潮」の観潮船うずしおクルーズとの相乗効果を期待しています。建物は、日本の伝統文化の人形浄瑠璃の公演場所として「和」の雰囲気を醸し出しています。内装にはスギとヒノキを使用しています。舞台や客席には淡路島の伝統産業の瓦を使っています。

淡路人形浄瑠璃の概要

淡路人形浄瑠璃とは、3人遣いの人形、義太夫、太棹三味線で演じられる人形芝居のことです。江戸時代の文化の華ともてはやされ、悲しいまでに人情の機微を謳い、哀歓の人間模様を描く様は、世界で最も人形劇を舞台芸術として発展させたと言っても過言ではありません。時代物が得意とされており、早替りや道具返し、衣装山など淡路島独特の演出や演技も派手で外連味が利いた作品が多く、また人形芝居本来の雰囲気を残した外題も多く、舞台は華やかそのものといえるでしょう。これら淡路人形を自由自在に操るには何年もの修行が必要といわれ、足七年、左手七年、頭と右手は一生といわれるほどです。古典芸能を継承するために、何世代もの人々の創意工夫が重ねられ、受け継がれた舞台芸術の粋といえるでしょう。

淡路人形座の5月公演

  • 公演場所:淡路人形座
  • 公演住所:〒656-0501 南あわじ市福良甲1528-1地先
  • 電話番号:0799-52-0260
  • 上演時間
    定時公演:10:00~、11:00~、13:30~、15:00~
    臨時公演:9:00~、16:00~
  • 駐車場:道の駅福良駐車場(無料)
  • アクセス:神戸淡路鳴門道西淡三原IC、淡路島南ICから車で約15分
  • HP:淡路人形座

淡路人形座の5月の入場料金

  • お七(「戎舞」「人形解説」「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」)
    大人1,500円、中学生1,300円、小学生1,000円、幼児300円
  • 日(「人形解説」「日高川嫉妬鱗 天田堤より渡し場の段」)
    大人1,500円、中学生1,300円、小学生1,000円、幼児300円
  • 戎(「人形解説」「戎舞」)
    大人1,000円、中学生800円、小学生600円、幼児200円

淡路人形座の5月の上演日程と演目内容

  • 1日(火) 10:00日、11:10日、13:30阿、15:00阿
  • 2日(水) 10:00日、11:10日、13:30阿、15:00阿
  • 3日(木) 10:00日、11:10日、13:30阿、15:00阿
  • 4日(金) 10:00日、11:10日、13:30阿、15:00阿
  • 5日(土) 10:00日、11:10日、13:30阿、15:00阿
  • 6日(日) 10:00日、11:10日、13:30阿、15:00阿
  • 7日(月) 阿
  • 8日(火) 阿
  • 9日(水) 休館
  • 10日(木) 休館
  • 11日(金) 阿
  • 12日(土) 戎
  • 13日(日) 阿
  • 14日(月) 阿
  • 15日(火) 10:00戎、11:10阿、13:30戎、15:00戎
  • 16日(水) 休館
  • 17日(木) 阿
  • 18日(金) 休館
  • 19日(土) 休館
  • 20日(日) 阿
  • 21日(月) 阿
  • 22日(火) 阿
  • 23日(水) 休館
  • 24日(木) 阿
  • 25日(金) 10:00戎、11:10阿、13:30阿、15:00阿
  • 26日(土) 阿
  • 27日(日) 10:00戎、11:10阿、13:30戎、15:00戎
  • 28日(月) 10:00戎、11:10阿、13:30阿、15:00阿
  • 29日(火) 休館
  • 30日(水) 休館
  • 31日(木) 阿
  • 特別公演:5月26日(土)開演19:00(開場18:30)播州皿屋敷 青山館の段

淡路人形座の5月の演目のあらまし

戎舞(えびすまい)

戎さまが、釣竿をかついで淡路人形座へやってきました。庄屋さんはお神酒を出します。盃を飲み干した戎さまは、自分の生まれや福の神であることを話しながら舞い始めます。海の幸、山の幸を前に、みんなの願いをかなえようと、お神酒を飲み、幸せを運んできます。酔った戎さまは、船に乗り、沖に出て、大きな鯛を釣り、メデタシ、メデタシと舞い納めるのでした。太鼓のリズムに合わせ、戎さまが楽しく舞うこの神事には、おおらかな心を持ち、えびす顔でプラス思考に生きるという幸せの原点がこめられています。

傾城阿波の鳴門 順礼歌の段(けいせいあわのなると じゅんれいうたのだん)

十郎兵衛・お弓の夫婦は、徳島の玉木家の家宝国次の刀を探すため、大阪の玉造に住み、十郎兵衛は名前も銀十郎と変え盗賊の仲間に入っていました。お弓が留守番をしているところに手紙が届きました。十郎兵衛らの悪事が露見し、追っ手がかかったので、早く立ち退くようにとの知らせでした。お弓は夫の無事と刀の発見を祈って神仏に願をかけているところに、順礼の娘が訪れます。国許に残してきた自分の娘と同じ年頃なので、話を聞いてみると両親を探して徳島からはるばる旅をしてきたという身の上を語ります。両親の名前を聞いてみると間違いなく自分の娘であることがわかりました。今すぐに抱きしめ母と名乗りたい思いを抑え、盗賊の罪が娘に及ぶことを恐れて、国へ帰るように諭します。そしてこのままここにおいて欲しいと頼むおつるを、お弓は泣く泣く追い返します。おつるの歌う順礼歌が遠のくと、お弓はこらえきれずに泣き崩れるのでした。しかし、このまま別れてはもう会えないと思い直し、急いでおつるの後を追います。

日高川嫉妬鱗 天田堤より渡し場の段(ひだかがわしっとのうろこ あまだづつみよりわたしばのだん)

この作品は道成寺に伝わる安珍清姫の伝説をもとにした物語です。皇位継承をめぐる争いから命を狙われる身となった桜木親王は、山伏安珍となり、紀州真那古の庄司の家にかくまわれていましたが、恋人の姫君と再会し、二人で庄司の家を出て、道成寺に向かいます。実は親王の身分であるとは知らずに安珍を慕っていた庄司の娘清姫は、そのあとを追いかけ、日高川のほとりに辿り着きました。清姫は船頭に川を渡してくれるよう頼みますが、渡さないよう安珍に頼まれていた船頭は冷たく断ります。どうしても諦めきれない清姫は嫉妬に狂い、ついに大蛇に姿を変えて川を渡ってゆくのでした。

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