「一谷嫩軍記」が上演されます。淡路島にある人形芝居「淡路人形座」で、平清盛亡き後の源平の合戦を描いた名作の一つが登場します。一の谷の戦いをベースにした演目「須磨浦組討の段」です。
一の谷の合戦で敗れて西国に落ち延びる平家にあって16歳の若き武将の平敦盛が登場します。若者を討ち取る無情を感じて武士を捨て僧侶となる源氏の武士の熊谷直実との二人の悲劇の物語です。
「一谷嫩軍記」の開催日程は、2024年3月20日(水)、22日(金)、23日(土)、24日(日)の4日間となります。上演時間は11時10分からの1日1回公演、所要時間は45分です。
一谷嫩軍記「源平の合戦」
2024年3月20日(水)、22日(金)、23日(土)、24日(日)の11時10分から、兵庫県南あわじ市にある人形芝居の劇場「淡路人形座」で「一谷嫩軍記 須磨浦組討の段」が上演されます。
- 淡路人形座 公式ホームページ:上演スケジュール
「一谷嫩軍記 須磨浦組討の段」は、平清盛亡き後の源平の合戦を描いた名作の一つです。一の谷の合戦で敗れて西国に落ち延びる平家で16歳の若き武将の平敦盛が登場します。
若者を討ち取る無情を感じて武士を捨て僧侶となる源氏の武士の熊谷直実との二人の悲劇の物語です。入場料金は、大人1800円、中高生1300円、小学生1000円、幼児300円です。
上演時間は、11時10分からの1日1回公演です。所要時間は、約45分です。
「一谷嫩軍記」は、一の谷の合戦で敗れて西国に落ち延びる平家にあって16歳の若き武将の平敦盛、若者を討ち取る無情を感じて武士を捨て僧侶となる源氏の武士の熊谷直実、二人の悲劇の物語です。
熊谷次郎直実は、武蔵国熊谷郷(現在の埼玉県熊谷市)出身の武将となります。はじめは平家に仕えていましたが、坂東武者ということから源氏に寝返って源頼朝の御家人となります。
ハイライトは、熊谷直実が平敦盛の首を落とさねばならなかった心の葛藤です。後に武士を辞めて出家することになる熊谷直実の悲痛さを人形芝居の動きと音で見事に表現しています。
最初から最後まで力強い語りと三味線がマッチしています。笛の名手と称された平敦盛が死に直面する哀れさ、我が子ほどの子供を熊谷直実が殺さなければならない無常さが伝わります。
「一谷嫩軍記 須磨浦組討の段」のあらすじは以下のとおりです。
平清盛亡き後の源平の合戦を描いた名作の一つで、一の谷の合戦で敗れ、西国に落ち延びようとする平家の若き武将敦盛と、源氏の武士熊谷直実の悲劇を描きます。
源氏方の武士平山武者所を追っていた敦盛は、途中で敵を見失い、須磨浦の波打ち際に出て、沖にいる味方の軍船に追いつこうとしていました。
しかしその姿を熊谷が見つけ、戦いとなります。熊谷が組み敷いた若武者の顔を見ると、ちょうど我が子と同じ年頃でした。哀れに思った熊谷は、見逃すので落ち延びるようにと敦盛に勧めますが、味方の平山に見咎められ、泣く泣く敦盛の首を討ちます。
熊谷は心重く馬を引き、その場を立ち去るのでした。後の場面で、熊谷の討った敦盛は、実は熊谷の息子小次郎であったことがわかります。熊谷が敦盛〈後白河院の落胤〉を助けるために、我が子を身替りにしたのでした。
淡路人形座
なお、淡路人形座がある福良港の入り江に、源平のゆかりの地「煙島」があります。平経盛(平清盛の弟)の子供「平敦盛」の首を荼毘(だび)にふした場所とされています。
平経盛(平清盛の弟)が一の谷の合戦で敗れて、屋島に落ち延びる途中に福良湾で休息を取っていました。熊谷直実が屋島へ向かう途中に、平経盛に平敦盛の首と腰にさした横笛を届けさせました。
熊谷直実は、息子と同じ年ごろの青年に哀れを感じながら平家の若武者を組み敷いて首を打ち落としました。若武者が平清盛の弟である経盛の息子の敦盛であることを知ったためです。
平経盛は、届けられた首を眺めながら実の息子である敦盛の死を悲しみます。敦盛の首を荼毘(だび)にふします。煙が立ち上ったので「煙島」といわれるようになりました。
煙島は、丸く盛り上がった無人島です。南北に約100メートル、東西に約70メートルほどの楕円形をした島となります。無人島で船をチャーターしないと渡ることができません。
海に面して鳥居が立っています。石段を登ると厳島神社と敦盛の首塚とされる石の祠があります。煙島は、福良港の海岸から150メートルの位置にあります。
淡路人形座の上演内容は、淡路人形浄瑠璃と呼ばれる人形芝居です。国の重要無形民俗文化財に指定されます。淡路島で五百年の歴史を誇ります。人形・太夫・三味線が一体となった総合芸術です。
ジャンルでは時代物が得意です。早替わり、道具返し、衣裳山など淡路島独自の演出が特徴です。演技は派手でケレン味が尊ばれています。人形芝居本来の雰囲気を残した外題も数多くあります。
なお、淡路人形浄瑠璃は約500年以上の歴史がある人形芝居です。全国各地に人形芝居を伝えて、日本の演芸史で大きな役割を果たしてきました。「文楽」を創始した植村文楽軒は淡路島出身です。
淡路人形座では、伝統を守り続けながら活動しています。後継者団体への指導、全国の人形芝居保存会への協力など、人形浄瑠璃の普及・発展に尽力しています。国内外で高い評価を得ています。
詳細・基本情報
- 公演日程:2024年3月20日(水)、22日(金)、23日(土)、24日(日)
- 上演時間:11:10~
- 住所:〒656-0501 兵庫県南あわじ市福良甲1528-1
- 電話:0799-52-0260
- 公式サイト:https://awajiningyoza.com/
- 定休日:水曜日
- 入場料金:大人1800円、中高生1300円、小学生1000円、幼児300円
- 座席数:179席
- 駐車場:約100台(道の駅福良駐車場)
- アクセス:神戸淡路鳴門自動車道 西淡三原IC・淡路島南ICから車で約15分