淡路島でバラ祭りが開催されます。日本最大級の温室となる奇跡の星の植物館で「淡路夢舞台薔薇祭2021」となります。今回は「華麗なる薔薇物語」がテーマです。
宮廷文化を創り上げたマリア・テレジア、薔薇を愛した王妃マリー・アントワネット、薔薇の母と呼ばれたナポレオン皇妃のジョセフィーヌなど花と緑の文化を生んだ女性たちの花の暮らしを再現します。
淡路島バラ祭り「淡路夢舞台薔薇祭2021」の開催期間は、2021年4月17日(土)から5月30日(日)までとなります。開催場所は、淡路島の淡路夢舞台にある温室「奇跡の星の植物館」です。
屋外ローズガーデンでは、ローズガーデンショー「マリー・アントワネットの庭」が開園します。なお、2021年4月25日(日)から5月11日(火)まで臨時休業となります。
淡路島バラ祭り2021
2021年4月17日(土)から5月30日(日)まで、兵庫県淡路市にあるリゾート施設「淡路夢舞台」の温室「奇跡の星の植物館」でバラ祭り「淡路夢舞台薔薇祭2020」が開催されます。
奇跡の星の植物館 公式ホームページ:4/17~開催!■淡路夢舞台薔薇祭2021ー4/17(土)~5/30(日)
今年は「華麗なる薔薇物語」がテーマとなります。ヨーロッパで素晴らしい都の文化を創り上げたのが神聖ローマ帝国のハプスブルグ家です。中世以降約650年間にわたり欧州に君臨しました。
王家の人々は戦いのストレスを花緑で癒すほど花好きでした。花や緑と共に暮らすライフスタイルは、薬草園、庭園づくり、宮廷温室、オランジェリーづくりへと広がっていきました。
コロンブスのアメリカ大陸の発見から大航海時代にかけてハプスブルグ家は、政略結婚スペインをはじめ、オランダやベルギーなどの国を手にします。海外の植物をヨーロッパに持ち帰っていました。
国だけでなく多くの植物を手に入れました。薬草・スパイス・コーヒーをはじめ、今までヨーロッパの人々が見たことのない貴重な植物を手にしました。薬草園や高山植物園などを創りました。
さらに、スイーツやコーヒーへの関心が高まりました。宮廷菓子学校を創り、晩餐会を催して音楽を楽しみました。ガーデンと花がヨーロッパの現代の文化を創り上げていきました。
約4000種もの珍種植物を集めて、当時世界最大の植物園や世界で最初の動物園を創りました。
女王マリア・テレジアは、シェーンブルン宮殿に美しい庭やオランジェリーを創りました。晩餐会や宮廷コンサートを開催しました。モーツァルトはじめ、多くの音楽家や画家を育てて結実しました。
今回のバラ祭りでは、ハプスブルグ家と薔薇にまつわるの3人の女性の花のある暮らしを再現します。
シェ―ンブルン宮殿の再生に尽力して宮廷文化を創り上げたマリア・テレジアと、シェーンブルン宮殿で育った贅沢より薔薇が大好きな政略結婚の悲劇の王妃マリー・アントワネットです。
最後の一人は、シェーンブルン宮殿に土足で入ってきたナポレオンの財力を利用して、モダンローズの作出に貢献した薔薇の母である皇妃ジョセフィーヌです。花皇妃たちの薔薇が共演します。
シェーンブルン宮殿の薔薇「マリアテレジアの庭」
メイン展示となる展示室5「フラワーショースペース」では、シェーンブルン宮殿の庭をイメージした薔薇の庭が登場します。ローズガーデンを再現します。
ハプスブルグ家のマリア・テレジアは、戦いに明け暮れるヨーロッパにあって、ハプスブルグ家が神聖ローマ帝国である地位を守り続けるために、皇女たちを戦略結婚させました。
しかし、政略結婚により心を痛めていました。心痛む日々を癒すために、花と緑の癒しが必要でした。
花緑あふれるロココ調のガーデンをはじめ、当時のヨーロッパで珍しい植物をコレクションした温室、宮廷音楽会や晩餐会を開くオランジェリーなど花と緑が溢れる暮らしをすることで癒されました。
今回は、ロココ調の薔薇の庭、ハプスブルグ家にまつわる人々の名前の薔薇、海外から持ち込まれたユニークな珍種植物で創り上げられた庭、ギリシャ建築の記念碑となるグロリエッテを再現します。
ハプスブルグ家の花と緑のある暮らしを伝えます。
オールドローズ
オールドローズでは、ロサ・ケンティフォリア・ロサ・マリールイーズ・ナポレオン・ジョセフィーヌなどが登場します。
ロサ・ケンティフォリアは、マリーアントワネットが絵画で手にした薔薇です。ロサ・マリールイーズは、神聖ローマ皇帝フランツ2世の王女でナポレオン2番目の皇妃の名前をした薔薇です。
ハプスブルグ家にかかわった人々の名前の薔薇
ハプスブルグ家にかかわった人々の名前の薔薇では、女王マリア・テレジア、王妃マリー・アントワネットなど女王や王妃の名前をした薔薇が登場します。
宮廷音楽家として、ヨハンシュトラウス、モーツァルトなどの名前の付いた薔薇が登場します。
世界から集めた植物
世界から集めた植物では、マリア・テレジアの息子ヨーゼフ2世が当時に世界から植物を集めた植物園や世界最初の動物園の創設で登場した植物が登場します。
約4000種もも植物が集められたといわれています。シーボルトが持ち帰った植物をはじめ、アフリカからの植物などもあったとされています。
アジサイ、ウツギをはじめ、カナリー諸島のエキウム・ウィルドプレッティが登場します。
徳川の花文化「庶民の花文化が花開く江戸」
展示室3では、徳川の花文化を展示します。庶民の花文化が開花した江戸時代を再現します。江戸時代の伝統園芸植物と飾り方の紹介、伝統園芸植物のオモトとマツバランなどを展示します。
約650年続いたハプスブルグ家と約260年続いた徳川家の違いは、戦いに明け暮れたヨーロッパと、植物と豊かな自然に囲まれてだ戦いのない世界にいた日本の庶民の暮らしです。
ヨーロッパの王族や貴族が珍種植物に憧れていた時代に、日本では庶民の間に園芸が栄えていました。庶民の園芸文化が開花した時代となります。桜草やショウブも展示しています。
メディニラ&アンスリウム展
展示室2では、メディニラ&アンスリウムが展示されます。耐陰性があるアンスリウム(Anthurium)とメディニラマグニフィカ(Medinilla magnifica)はインドアプランツにぴったりの植物です。
アンスリウムは、一般的な赤から紫、黒色など最近では花の色が増加しています。メディニラマグニフィカはダイナミックに30センチほどの下垂型の大きな花を咲かせます。
今回は10種類を超える原種のアンスリウムとメディニラマグニフィカで、トロピカルガーデンをコーディネートします。豪華で迫力ある演出をしています。
ハプスブルグの花文化
ホワイエでは、ハプスブルグの花文化を展示します。マクシミリアン1世から日本庭園を好んだ大公フェルディナント、皇妃エリザベート、ハプスブルグ家の花と緑のある暮らしと文化・歴史を伝えます。
伊藤若冲「薔薇小禽図」の世界を再現
バルコニーでは、伊藤若冲が描く枝垂れた三種類の薔薇と枝にとまる一羽の小禽の絵、雅な世界を再現した和の薔薇の庭が登場します。シンボリックな巨大なコケ玉は目を見張ります。
屋外ローズガーデンショー「マリー・アントワネットの庭」
奇跡の星の植物館の屋外では、芝生広場とローズガーデンは見頃を迎えてローズガーデンショー「マリー・アントワネットの庭」が開催されます。マリー・アントワネットの庭を再現します。
約6000平方メートルの敷地で約2000株200種類のバラが楽しめます。薔薇の魅力を感じながら、薔薇の色・香りだけでなく、仕立て方やディスプレーも楽しめます。
薔薇の育種に貢献したジョセフィーヌがイメージして原種からモダンローズまで植栽しています。
薔薇に囲まれたローズウォーク、香のバラを集めた香りのローズガーデン、宿根草とバラで創るボーダーガーデン、マリー・アントワネットのアモーから構成されています。
さらに、薔薇の育種に貢献したジョセフィーヌのイメージで、原種のバラからモダンローズまでを植栽して薔薇の歴史を伝えるローズヒストリーガーデンがあります。薔薇に囲まれた非日常を過ごせます。
マリー・アントワネットは、ベルサイユ宮殿の離宮プチトリアノンの暮らしが大好きでした。子供が誕生してからは、プチトリアノンに田舎や村を作りました。自身も農夫の格好をして暮らしていました。
英国風のナチュラルガーデンには池や川があり、マリー・アントワネットの大好きなバラの花も植えられていたそうです。青空の下、五感いっぱいにバラを体験することができます。
マリー・アントワネットのローズガーデン(Le Hameaude la Reine)は、芝生広場の中央にアモーをイメージした田舎の古民家が設けられています。宿根草とバラが楽しめるガーデンが登場します。
マリー・アントワネットの肖像画に描かれているケンティフォーリアやプチトリアノンの先住者・ルイ15世の公妾マダム・ポンパードールの名にちなんだバラが楽しめます。
なお、アモー・ドゥ・ラ・レーヌとは、貴族が敷地に農家を住まわせて農作業を行わせた牧歌的な小規模の農村です。18世紀当時、王侯貴族では村を所有して農村の真似事をするのが流行でした。
薔薇の代表的な品種は、以下のとおりです。
ロサ・ケンティフォリアは、マリー・アントワネットが肖像画で手に持っているバラです。花びらがフワフワしていることからキャベッジローズと呼ばれています。
マリー・アントワネットは、「ベルサイユの薔薇」にちなんで作出された品種になります。ラ・ナエマ、ローズ・ポンパドゥールは、薫り高く華やかなフレンチローズです。
ブルーローズは、ブルームーン、夜来香、爽」などの香高いブルーローズに加えて、紫のミステリューズもお楽しみいただけます。
なお、お弁当や休憩ができるピクニックエリアが設けられています。カスケードが流れる薔薇の庭、原種のバラ、青空の下で五感いっぱいにバラを楽しめるイベントです。
ローズバザール
ローズバザールとして、ミラクルプラネットカフェはハプスブルグスイーツが登場します。ローズグッズバザールではローズグッズが販売されます。
ハプスブルグカフェ
ミラクルプラネットカフェで、ハプスブルグ家の人々が楽しんだスイーツが登場します。ミラクルプラネットカフェは2階のバルコニーから入場できます。
ベルサイユ宮殿の王室菜園で栽培されたリンゴと薔薇を使った「マリー・アントワネットティー」とスイーツのセットや、限定ランチを数量限定で販売しています。
ウェスティンホテル淡路と奇跡の星の植物館のコラボレーションケーキとして薔薇祭バージョン「バラと苺のショートケーキ」が登場します。
バラの花びらペースト、バラの花びらのシロップ煮、ローズシロップなど、バラと苺の魅力をぎゅっと詰め込んだ色鮮やかでフルーティーな風味が特徴のケーキです。
- ケーキ単品:540円
- コーヒー&紅茶セット:940円
- ハーブティーセット:1040円
ウェスティンホテル淡路と奇跡の星の植物館のコラボレーションケーキとして薔薇祭バージョン「ブリオッシュ・オ・フリュイ」が登場します。ふんわりと焼き上げたブリオッシュに、オレンジ風味のシロップを染み込ませています。色とりどりのフルーツとクリームがサンドされたイースト醗酵菓子です。
- ブリオッシュ:454円
- コーヒー&紅茶セット:860円
- マリーアントワネットティーセット:1600円
ローズグッズバザール
ローズグッズバザールでは、マリー・アントワネットや薔薇の画家として有名なル・ドゥーテによる薔薇が描かれた素敵なローズグッズが販売されます。
体験教室
体験教室としてプリザーブドフラワーアレンジ教室とアロマセラピー教室が開催されます。
プリザーブドフラワーアレンジ教室
プリザーブドフラワーアレンジ教室は、人気講師である奥田とみよ先生が登場します。奥田とみよ先生が作った作品の販売もございます。材料に限りがありますので、あらかじめの予約をおすすめします。
なお、館内での開催となりますので別途入館料が必要です。フォトフレーム、フレグランスフラワーのミニ花束などを販売しています。
- 開催期間:2021年5月29日(土)、5月30日(日)
- 講師:奥田とみよ
- アーティシャルフラワー(仏花):大1個4500円、中1個2800円(ガラス製の器付き)
- プリザーブドフラワーアレンジ:1個4000円~(ミラーフレーム型)
カレンデュラ教室
カレンデュラ教室は、淡路島の廣田農園で栽培される無農薬のカレンデュラを使用したお茶やソープなどで、効能と魅力を五感で体感できる期間限定ショップとなります。
カフェでは、カレンデュラを使ったお茶、ケーキなどを販売します。ショップでは、バスソルトやソープ、美容オイルなどを販売します。肌トラブル解消、抗ウィルス、消化促進など優れたハーブです。
- 開催日時:2021年5月22日(土)
- 講師:友尾由美子(薬剤師)
- 参加人数:各コース先着15名、1コマ30分、各コマ3名様限定
- バスソルト2個:1000円
- ローション150ml:1500円
アロマセラピー教室
アロマセラピー教室は、淡路夢舞台薔薇祭2019の限定イベントになります。毎週土曜日に開催されます。通常の石鹸に加え、今回は色も形も美しいバラの石鹸も登場します。専門の講師の先生に相談しながら好みの香りを発見できます。
- 開催期間:未定
- バラの香水:5ml1200円、10ml:2400円
- バラのミストスプレー30ml:2000円
- バラの石鹸:1500円
- 化粧水50ml:1500円
- ジェル50ml:1500円
- マッサージオイル50ml:1800円
- 石鹸:1000円
- バスソルト:1500円
- ジェルキャンドル:1200円
詳細・基本情報
- 開催期間:2021年4月17日(土)~5月30日(日)
- 利用料金:大人700円、70歳以上350円、高校生以下無料
- 住所:〒656-2306 兵庫県淡路市夢舞台4
- 電話番号:0799-74-1200
- 公式HP:http://www.kisekinohoshi.jp/
- 営業時間:10:00~18:00
- 駐車場:約600台(淡路夢舞台地下駐車場)
- 駐車料金:普通車500円(テラスレストラン&ショップの利用で無料券配布)
- アクセス:神戸淡路鳴門自動車道 淡路ICから車で約5分
※なお、2021年5月8日(土)から5月30日(日)まで、屋外ローズガーデンが開園します。利用料金は以下のとおりです。
- 植物館+屋外ローズガーデン:大人1200円、70歳以上900円、高校生以下無料
- 屋外ローズガーデン:一般700円、高校生以下無料
過去の展示
過去の展示では「ジョセフィーヌの庭」が登場しました。現代バラの母ジョセフィーヌのコレクション、ナポレオンの皇妃マリールィーズ(ハプスブルグ家)に贈ったオールドローズを展示しました。
ジョセフィーヌは、マルメゾン宮殿で理想の薔薇づくりに励みました。世界から250種の薔薇を集めました。ダリアやユリもコレクションしました。カンガルーなども飼われていたそうです。
ベルギーの画家であり、植物学者でもあるル・ドゥーテは、ジョセフィーヌの居城のマルメゾン城で、バラやユリなどの植物を描いた博物画「ボタニカルアート」を多く残しています。
世界的にも「バラの画家」や「花の画家」として知られています。植物図譜では「バラ図譜(Les Roses)」が最高傑作といわれています。ル・ドゥーテの描いたバラや植物を展示しています。
ル・ドゥーテが描くジョセフィーヌコレクションでは、以下の種類が登場します。
- 原種:ロサ・ダマスケナ、ロサ・シネンシス、モッコウバラなど
- オールドローズ:ロサ・ケンティフォーリア、ロサ・アルバ、ロサ・グラウカなど
ジョセフィーヌとナポレオンでは、シャポードナポレオンとエンプレス・ジョセフィーヌを展示しています。ジョセフィーヌが夢見た現代バラとして、ラ・フランスを展示しています。
ジョセフィーヌのコレクションプランツとして、ユリとダリアを展示しています。この他、エキゾチックプランツとして、カンガルーポーなどオーストラリアの植物を展示しています。
他にも、マリア・テレジアとマリー・アントワネット、最後の皇妃エリザベートというパプスブルク家を代表する王女たちのローズトピアリーを薔薇で創り上げた庭を再現しました。
マリア・テレジアはシェーンブルン宮殿の庭園、マリー・アントワネットは、ベルサイユ宮殿プチトリアノンのアモー・カントリーガーデン、エリザベートは「バイエルンのバラ」の庭と称されました。