淡路島 安藤忠雄さんワールド 淡路夢舞台で設計建築施設の数々

淡路夢舞台は、世界に名を馳せる建築家の安藤忠雄さんが設計した淡路島にある複合文化リゾート施設です。淡路島北東部の海を望める高台にあり、約28ヘクタールの広大な敷地を誇ります。関西空港などの埋め立てで土砂を採取した何もない更地でした。一度は人間の手によって壊された自然を本来の姿に戻すために、淡路島の植生に基づいた苗木を植えることから始めました。自然を本来の姿に戻して自然と人が共生できる空間を創造する自然リノベーションプロジェクトとして、安藤忠雄さんがランドスケープデザインに取組みました。ダイナミックに斜面を利用することで、淡路島の自然豊かな景観に溶け込むように施設群を整備しています。淡路夢舞台は、安藤忠雄さんが手掛けた世界でも類を見ない環境創造型の事業となりました。

淡路夢舞台で安藤忠雄さんワールド

安藤忠雄さんは、淡路夢舞台で空、水、風、光、陰、山、海と淡路島の自然を建築の一部として表現しています。日常見過ごしている自然の様相を非日常空間で表現することで、無機質な建築物で自然の美しさを際立たせることで、自然を感じ取り自然と共生を意識して、訪れた人々の心を揺さぶり感動を与えてくれます。これぞ安藤忠雄ワールド、これぞ世界の安藤忠雄といえるでしょう。なお、淡路夢舞台は、一般社団法人日本建設業連合会が日本国内の優秀な建築作品に贈る第42回BCS賞を受賞しています。

安藤忠雄さんワールドの数々の施設

百段苑

海を望む山の斜面に沿って階段状に並んだ100個の花壇です。コンクリートで4.5平方メートルの正確な型枠となった枡形の花壇が並びます。100区画ある花壇の周りをあらゆる方向から階段が連なっています。立体迷路のような空間にいると、まるで「だまし絵」の世界にいるような錯覚を覚えます。これこそ、イタリア式庭園の幾何学的な造形を洗練させた一つの到達した形といえるでしょう。段苑と階段の間を斜面に沿って水が流れる滝があります。カスケードは、小さな階段状になっており水が小さなしぶきをあげながら流れています。水のキラキラとした輝きも見て取れます。耳を澄ませばせせらぎが聞こえます。カスケードの小さな階段状の変化により、せせらぎが幾重にもなって聞こえてきます。

最上段付近から見渡せば、眼下には素晴らしい景色が広がっています。淡路夢舞台の幾何学的な建造物の連なり、明石海峡公園の整備された美しい庭園、大阪湾に広がっている澄み渡った海など、空と海と庭園と建築が見事に一体化しています。また、足元には幾何学的な模様が広がっています。春から秋にかけては四季折々の花々が咲いており、無機質な造形物に命が宿ったようにカラフルな芸術的な模様となります。花壇の一枡一枡に世界のキク科の植物をお楽しみいただけます。無機質で幾何学の建造物が見事に溶け込んでおり、人工と自然が見事に融合した世界といえるでしょう。太陽、空、海、緑、水、木々、花々という自然の摂理が、五感を使って体感できる場所といえるでしょう。

貝の浜・山回廊・海回廊

淡路夢舞台の建物から海側に沿って広がる水深10センチくらいの水をたたえた約1万平方メートルの敷地に、リサイクルした帆立貝が1枚ずつ手作業で敷き詰められています。貝殻の数は計100万枚に上ります。貝殻の上を水が流れており、陽光にキラキラと水しぶきを上げて千の噴水が彩ります。水の演出は美しいです。淡路夢舞台には、貝の浜をはじめ、安藤忠雄さんのコンセプトから水が流れる場所が数多く存在しています。光と水の演出は見事です。

山回廊はコンクリートの壁と擦りガラスに囲まれた視界を遮断した影の回廊となっています。中央に水が蓄えられて噴水をが楽しめます。海回廊は海が展望できる視界を開放した光の回廊となっています。水が蓄えられて開放的で美しい空間です。2つの回廊は楕円フォーラムで結ばれます。噴水池を取り囲むように回廊が続いています。ゆっくりと歩きながら1周できるので、山回廊と海回廊を歩き比べるのも楽しいかもしれません。

円形フォーラム・楕円フォーラム

円形フォーラムは、直径約30メートル、高さ約10メートルの打ちっぱなしのコンクリートによる円形空間です。円形に沿うスロープと突き出た展望スペースがあり、底の真ん中には水が溜められています。幾何学の建造物における光と陰の演出なのでしょう。これこそ、安藤忠雄ワールドです。

楕円フォーラムは一回りサイズが大きく、直径約50メートル、高さ約15メートルのの打ちっぱなしのコンクリートによる楕円空間です。山回廊と海回廊で結ばれています。西側の壁面が日時計となっています。時間の経過を悟るのはここだけとなっているので、淡路夢舞台を象徴する特別な場所なのでしょう。建物内にスロープがあり、突き出た展望スペースがあり、底の真ん中には水が溜められています。フォーラムの屋上は開放的な展望テラスとなっています。これまで円形や楕円に切り取られた空が360度にに広がります。光と陰の演出なのでしょう。展望テラスは安藤建築の造形美といえるのでしょう。

海の教会

海の教会は、ウェスティンホテル淡路で行われるご婚礼の祝祭空間として、ホテルに連結したコンクリート通路で繋がれた建物に設置されています。チャペル空間は立方形となっており、天井に切り取られた十字のスリットを通して光が差し込んで、正面のスクリーンに光の十字架を映し出しているような演出となっています。また、床と壁の境目には照明が埋め込まれており、打ちっぱなしのコンクリート全体を柔らかな光りで包み込んで、人々による温もり空間を演出しています。無機質な幾何学の建造物と光による演出は、神聖な場所にはピッタリです。これも安藤忠雄ワールドといえるのでしょう。

階段を上り屋上に向かうと、海と空が一望でき、足元に水が張られた開放的なブライダルホールとなっています。美しいカリヨン(鐘)の音とフラワーシャワーによる祝福が目に浮かんでくるようです。

安藤忠雄さんにとっての淡路夢舞台

2000年という節目に誕生した淡路夢舞台で、安藤忠雄さんは、千年の時を超えて環境と共生する場所を表現しています。安藤忠雄さんは、21世紀を見越して自然が環境を整えてくれるのではなく、積極的に自然に働きかけて、環境と共生していかなければならないと訴えています。淡路夢舞台の立地は、マクロでは六甲山や大阪湾が見渡せます。ミクロでは、造園の木々や川があります。淡路夢舞台の歴史は、関西空港の更地に苗木を植えることから始まりました。完成間近には、阪神淡路大震災も経験しています。このような背景を踏まえると淡路夢舞台は、「環境」に対する意識を高められる象徴的な場所といえるでしょう。人の手によってつくられた自然を本来の美しさと、人の手によってつくられた洗練された建築の美しさを兼ねた淡路夢舞台は、人々に勇気を与え続ける場所といえるのでしょう。

淡路夢舞台の概要

淡路夢舞台は、日本初となるリゾート&コンファレンスを基本コンセプトとしています。緑の森に包まれた「国際会議場」、ゆとりとくつろぎを提供する「ウェスティンホテル淡路」、日本最大級の温室植物園「奇跡の星の植物館」、オープンエアでコンサートやパフォーマンスを楽しめる「野外劇場」、自然を身近に感じる空間でグルメが楽しめる「レストランやショップ」、約600台収容可能な「地下駐車場」、海の玄関口となる「交流の翼港」などの施設が点在しています。それらの施設を百段苑や花木林苑、海回廊や山回廊、貝の浜に芝生広場など複数の庭園や遊歩道やデッキなどで連結しています。これによって全体が繋がり回遊できる構造となっています。

淡路島国際公園都市の中核施設

淡路夢舞台は、兵庫県が勧める「淡路島国際公園都市」の中核施設です。隣接する「淡路島国営明石海峡公園」とともに2000年にオープンしました。淡路花博「ジャパンフローラ2000」の会場となりました。「淡路島国際公園都市」とは、神戸淡路鳴門道の淡路ICから淡路夢舞台までの約350ヘクタールに及ぶ広大な敷地に、「淡路夢舞台」を中核施設として、「淡路島国営明石海峡公園」、「淡路ハイウェイオアシス」、「兵庫県立淡路島公園」、「淡路交流の翼港」などから構成されています。淡路地域の振興と大阪湾ベイエリアの交流拠点です。

淡路夢舞台の詳細情報

  • 住所:〒656-2306 兵庫県淡路市夢舞台4
  • 電話:0799-74-1000
  • 入場料金:屋外無料(奇跡の星の植物館は有料)
  • HP:淡路夢舞台
  • 駐車場:ウェスティンホテル淡路地下駐車場(普通車600台)
  • 駐車料金:普通車500円
  • アクセス:神戸淡路鳴門道の淡路ICから車で5分

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