プヤ・チレンシスやヒスイカズラ、ぺトレア・ヴォルビリスが開花しています。淡路島にある奇跡の星の植物園で、珍しい植物や美しい植物の開花が見学できます。
乾燥地域で咲くプヤ・チレンシスが15年目にして初めて開花しています。環境が良ければ数十年に一度の開花、環境が良くなければ1代限りの開花といわれるくらい貴重な幻の植物です。
熱帯雨林地域で咲くヒスイカズラが美しいエメラルドグリーンの花を咲かせています。ヒスイカズラくらい鮮やかな色をした美しい花を咲かせる植物はなかなか見つからないくらい貴重です。
亜熱帯地域で咲くぺトレア・ヴォルビリスが花びらの紫色とガクの淡紫色という絶妙のコントラストで開花しています。花の中に花が咲いているように見えます。開花後のガクを飛ばす体験ができます。
なお、奇跡の星の植物館の詳細については、「奇跡の星の植物館 淡路島に日本最大級の温室」の記事をご参照ください。
プヤ・チレンシスが15年目にして貴重な初開花
奇跡の星の植物館で、プヤ・チレンシスが2003年の種植えから育てて15年目にして初めて開花しています。プヤ・チレンシスは、南米のアンデス山脈などチリ中央部の乾燥した丘陵地帯が原産のパイナップル科の植物です。
巨大な常緑の多年草で、茎は木質化して、葉は硬い多肉室でトゲだらけになって縁取られています。長さ1メートルほどの葉には、鉤爪のような鋭いトゲがあります。現地では羊などに刺さると逃げられなくなり、死に至ることから、別名「羊食い」ともいわれているそうです。
今回、奇跡の星の植物館で開花するプヤ・チレンシスは、高さ5メートルほどになります。2月下旬から開花の兆しを見せはじめ、3月下旬に花が咲きました。
木質化した高く伸びた茎の先に、硬く皮のような緑の葉が1メートルほど広がり、1.5メートルほどの円錐状の花序を春から夏にかけてつけます。中央にオレンジ色のおしべ、緑色または黄色の約5センチほどの花びらの花が咲いています。
稲穂のように茎の先に穂状の花をつけるのが特徴です。1週間から10日程度は花を楽しめるそうで、見頃は4月中旬頃までとなりそうです。プヤ・チレンシスは成長が遅く、花を開くのに20年以上かかることもあるそうです。
環境が良くなければ1代限りで終わってしまい、環境が良く子株が育てば数十年かけて再び目にすることができるかもしれいくらい貴重です。また、生態の解明が進んでいない植物の一つで、自生以外ではイギリスの王立庭園「ウィズリーガーデン」で2013年に開花した記録以外は無く、日本で開花したのは初めてとみられています。
ヒスイカズラがエメラルドグリーンの花を咲かせる
フィリピン諸島が原産の熱帯のつる性植物です。藤のような50~100センチくらいの花穂を垂らして、1つ1つの花は長さ6~8センチの爪の形をしたエメラルドグリーンの花を咲かせます。ヒスイカズラは和名で、花色が宝石の翡翠(ヒスイ)のようなエメラルドグリーンをしていることから名づけられました。たくさんある花の中でも、ヒスイカズラのような鮮やかな色の花を咲かせる植物はなかなか見つからないくらい貴重です。
栽培は熱帯雨林を彷彿とさせる高温多湿を必要として、大型植物であることから一般家庭で栽培は難しく、栽培は植物園などに限られます。奇跡の星の植物館では、2000年の淡路花博に合わせて植栽され、て、2005年に初めて開花をしています。開花は数日で終わり、花はぼとぼとと落ちます。続々と別の花房から開花していき多数の花を咲かせます。
ぺトレア・ヴォルビリスが絶妙のコントラストで開花
メキシコの亜熱帯が原産の常緑のつる性の植物です。つるは12メートル以上に伸びます。枝は細く沢山の枝分かれをして、弓状にしなり枝先に紫色の花を房状に咲かせます。花びらの色は紫色でガクは淡紫色、コントラストが絶妙です。花の中に小さな小花が咲いているように見えます。パープルリースの別名があります。
葉はざらざらして紙ヤスリのようなので、サンドペーパー・バインという別名もあります。花自体の寿命は2、3日と短いですが、紫色の花びらが散った後に淡紫色のガクが残り長期間その美しさを楽しむことができます。ガクは残って大きくなり、翼の役目を担い果実の飛散に寄与します。なお、奇跡の星の植物館では開花後のガクを置いてあり、ガクを飛ばす体験ができます。